レース後のジョッキーコメントでこんなことを聞いたことがありませんか?
「直線で、いざハミをかけたら反応しなくて・・・」
「向こう流しでハミをはずそうとしたんだけど・・・」
「ゲートを出たらハミを噛んでガーッといったので・・・」
ここでのキーワードはもちろん『ハミ』です。
じゃあその『ハミ』とは何か?
『ハミ』とは、馬の口腔内、前歯と奥歯との間にある大きな隙間に渡した棒のことです。
その両端に手綱をつけ、鞍上の人間が馬の制御をします。
クルマで言えば、ステアリングとブレーキにあたります。
騎手が、手綱を右に引けば馬は嫌でもその顔を右側に向けます。
すなわち、馬は右方向に向かって行くことになるのです。
もちろん、手綱を左に引けば左に行きます。
人間もスキーなどで方向を変えたい時もっとも簡単なのは、
とにかく行きたい方向に顔および視線を向けることです。
同じように、馬を人の思う方向に行かせたければ顔をそちらに向かせればイイわけですね。
また、止まりたい時は手綱を引きます。
馬が走っていて首を前へ前へ出しているところで、人が手綱を引けば首が上に向きます。
馬は「あれれ?前じゃないの~?」とビックリして止まろうとするワケです。
馬の口腔内の隙間を発見し、そこに棒を突っ込んでみてはどうか?
それを綱で操作すればうまくいくはずだ!
そんな斬新なことを考えた先人に私は敬意を表します。
これによって、人と馬とがともに生きるという歴史が始まったわけですから。
そんな便利な『ハミ』ですが、実は、騎手の意に反し馬が勝手に操作することがあります。
それが冒頭のコメントになるのです。
人の思い通りにはいかない。これも競馬。
それこそ競馬=馬券の宿命なのかもしれません。
という言い訳・・・。
茂雄
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