ひとつの楽曲を通じての歌い手の成長を、若輩者で、しかも素人のアタシが生意気に語ってきたわけだけれど、演歌とは“演じる歌”。演じるにはやはり経験値の高さが求められるのでしょうね。
“歳を取るのは素敵なこと。”とまで一流の歌い手は教えてくれるのだと思うわ。
今日もあちこちのスナックやカラオケボックスで“天城越え”が唄われることでしょう。
勿論アタシのお店でもリクエストの多い曲よ。
お若い女性が背伸びをして唄う“天城越え”も素敵だし、男性客の“天城越え”もなかなか良い物です。
でもね、女子新入社員の皆さん!
先輩達とカラオケに行く時には、歌唱力に自信が有っても、年寄りウケするからという配慮のつもりでも“天城越え”は避けたほうがよろしくてよ。
お局OLさんの“十八番”だったりするんだから!
“ハナミズキ”とか“涙そうそう”とか、男女の愛よりも広く人間愛を歌ったものが好印象よ。
男子なら“夜空ノムコウ”とかね。
石川さゆりさんも、何年かするとオリジナルキイで“天城越え”を唄えなくなるかもしれません。でも、ますます経験を重ねた彼女の深みを増した“天城越え”を、きっと聴かせてくれると思うわ。
道ならぬ恋の逃避行。互いを激しく求め合い、果てた後、女の眼に映る天城の山は燃えていた・・・あぁ、なんて素敵な歌なのでしょうかっ!
なんだか唄いたくなくなってきちゃったわぁ~。
“天城越え” おしまい