この曲を知らない日本人がいるかしら?
時代を越え、老若男女に愛され、イチローの入場にも使われるこの名曲。
石川さゆりさんの地位を確実にしたのもこの曲よね。
アタシがまだ10歳くらいのころかな?
当時住んでいた岩手にダイエーが進出してね、オープニングイベントにデビューしたての石川さゆりさんが来たの。
売れていようがいまいが、地元に芸能人が来るなんて当時は稀なこと。
家族で観に行ったの。
今や演歌界に君臨する彼女も当時は初々しい少女。
でも、歌唱力は抜群だったわ。
なんと、ベレー帽にショートパンツ姿だったのよ!
“かくれんぼ”っていう歌を唄っていたの。デビュー曲だったと思うわ。
俗に言う“どさ回り”ってやつだったのでしょうね。
それから暫くの間、彼女は鳴かず飛ばずの時代が続き、アタシも彼女のことを忘れていたんだけど、“津軽海峡冬景色”のヒットで一挙にスターになったの。
そして、なんらかの賞を取った時、TVで泣き崩れる彼女を観て、
「あ、あのときの人だ!」
って気付いて、なんだか他人事じゃないような気がしたの。
アタシにとって、初めて間近に見た芸能人だったんだものね。
人の努力とか苦悩とか、それを乗り越えた感慨とか輝きとか・・・彼女を通じて初めて感じたの。
それからまた暫くして“天城越え”のヒットに恵まれ、彼女の地位は不動のものとなったのです。
それからは紅白も常連だし、豪華な着物もすっかり板に付いて、ベレー帽時代の彼女の記憶は何処へやら。
でもね、最近のTV番組の対談の中で、彼女が言った言葉でその時代の石川さゆりを思い出したのよ。
それはとっても深い言葉だったの。
つづく