さて、“不愉快編”です。
アタシね、お店を移転した時に“縁を切りたい”お客様には知らせなかったの。
高飛車な商売をしているつもりはないわよぉ。こんな時代だもの、来てくださるだけで有難いと思わなくちゃいけないことは分かっているわ。だけど、他のお客様に迷惑をかける人は別!そういうお客を“葬る”絶好の機会だったってことよ。
こと酒乱傾向のある人は、その時のことは覚えていないから困りもの。
しかも、そういう人に限って、素面だととっても朗らかで、腰が低かったりするの。
移転して3年経ったある日、その“葬った”はずのお客がなんと突然来ちゃったのよっ!
「い、いらっしゃいませ・・・。」
かたまるアタシを尻目に、さっさと着席。
既に少しお酒が入っている様子、そしてお酒が進むにつれ、やっぱり駄目だと判断。
他のお客様を指差して「おまえ」ではホントに困るわ。王様になっちゃうのよね。
挙句の果てに、酔い潰れてソファで爆睡。「閉店です。」と叩き起こすと、何のお詫びの言葉も無く帰ったわ。
数日後その人から電話が・・・「今から行くけど、イイ?」「すみません、今日はご予約で満席なんです。」数時間後「まだ満席か?」「はい。」
さらに数日後また電話。同じように答えたら「それは、今日も明日も、これからもずっと満席ってことか?」って聞くのよ。
「残念ながらそのとおりです。」と答えると、ガチャンと切られたわ。
超ムカついたけれど、「ま、来店して戸口で揉めるよりはマシか。」って、気持ちを切替えたわ。
でも、何故その人はアタシのお店を探し当てたのでしょう?
アタシの本名を知っていて、それでネット検索したらしいの。
アタシのお店にはホームページはあるけれど、本名は載せていないのよね。でも、本名で演奏活動したことがあるから、共演者がアタシのお店のことを御好意で自身のブログにUPしてたの。
そうやって手繰って来たわけ・・・その執念、恐るべし!
つい先日、懲りないその困ったちゃんからトドメの電話があったの。
「俺、なんかしたのか?」って・・・。
「はい、なさいました。」今度はこちらからガチャンです。
ネット社会の落とし穴 おしまい