彼女はそもそもお酒もいけるクチだったから、一人で来る時もお酒がまわると饒舌になって、専ら出会い系で出会った男の話をしていたわ。
でもね、当初の恥じらいはどこへやら・・・。
「あの時の男はデカかった。」とか「早かった。」とか、アタシに結果報告をするようになったのよ。
笑いながら「そんな報告はいらないわぁ~。」って言っても、全然響いていなかったわ。
そこで、アタシは“この人このままでは良くないな・・・”と、彼女と少し距離を置くことにしたの。
出会い系にハマっているということは、携帯は常に肌身離さずの彼女。
アタシにもよくメールをくれてたんだけど、何回かに一度とか、あまり返信しないようにしたのよね。
そしたらある時「ママ、最近冷たいじゃ~ん!」って言うから、「ごめんね~商売柄、鬼のようにメールがくるもんだから、つい・・・ね。」と答えたの。
そのタイミングで違う女性が来店してね、彼女の前で、なんと「ママ。いつもメールありがとう。」って言っちゃったのよ!!
彼女は小声でなにか言ったあと、別に怒った様子もなくお帰りになったの・・・。
ちょっと気まずさは隠せなかったけど、彼女の背中を見送りながら、「これで良かったのよね・・・。」と、アタシも心の中で呟いたわ。
そして、それっきり彼女は来店することはなかったの。
ちょっと、寂しい幕切れでしょう?
でもね、暫く経って偶然の再会がおとずれたの。
つづく