「桜」というタイトルの歌も沢山あるわね。
やっぱり桜は日本を代表する花。
日本人は桜が大好きなのよ。
それは“パッと咲いてパッと散る”その潔さがあるからでしょうね。
アタシね、勤めていた会社が倒産して、飲んだ暮れて、ホントに駄目になりかけていた時、とある方からこんな短歌を頂戴したの。
人間達に「あぁ綺麗!」と愛でられる桜もあるのだけれど、山奥にもひょっとすると桜という樹木の命が果てるまで、人目に触れずに咲く桜もある。
「桜」という生を授かったから、ただ精一杯咲くのだ。
そういう意味なのです。
アタシは、自然に涙が溢れたわ。
それまで、自分がどう評価されているかだけを気にして生きてきた。
その時惨めだった自分を、倒産した会社のせいにもしていた。
この桜を素材とした短い歌にそれを気付かされたのよ。
なんだか“光が射した”そんな気がしたわ。
アタシを評価する人なんて、親や教師や上司というほんの一握りの人達。
しかも、その時まだアタシは20代。
これから出会う人の数の方が圧倒的に多いに決まっているし、まだ自分は咲いていないどころか、蕾も付けていない。
「アタシ、咲く!咲いてみせるわ!」
と、誓ったのよ。
それから自分が咲く場所としてお店を構えたのよね。
まだまだ咲いちゃいないけど、その思いだけは健在。
お客様と共に歳を取り、共に咲いて、共に愛であう。
これが目標なの。
これほど擬人化される花って他にないんじゃないかしら?
その3では、まさしく満開の桜のように咲き誇っているとアタシが感じている、とあるスナックのママさんとの会話を紹介するわね。